神戸市で歯科医院を経営されている院長先生。
「スタッフが育児休業を取得したいと言っているけど、手続きはどうすればいいの?」
「パートスタッフでも給付金はもらえるの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
そこでこの記事では、社労士×生成AI活用アドバイザーの視点から、歯科医院の院長が知るべき育児休業給付金の基礎知識を詳しく解説します。
この記事でわかること
- 育児休業給付金の基本的な仕組みと院長の負担
- パート・アルバイトスタッフの対象条件
- 給付金額の計算方法と具体例
- 申請手続きの流れと必要書類
- 関連する助成金・支援制度
目次
育児休業給付金とは?歯科医院の院長が知るべき基礎知識
育児休業給付金の基本的な仕組み
育児休業給付金は、雇用保険から支給される公的な給付金です。1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得したスタッフに対して支給されます。
給付金は雇用保険から直接スタッフの口座に振り込まれます。医院の役割は、ハローワークへの申請手続きを行うことです。
医院が育児休業給付金の負担をする必要はありません。
育児休業中は給与の支払いは不要です。ただし、医院の判断で任意に給与を支払うことは可能ですが、その額が休業前の80%以上になると給付金は支給されません。
産休・育休中の社会保険料免除
育児休業給付金とは別に、産休・育休期間中は社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が事業主負担分と本人負担分の両方とも免除されます。
これは医院にとって大きなメリットです。例えば月給20万円の歯科衛生士の場合、医院負担分の社会保険料が月約3万円免除されることになります。
社会保険料の免除を受けるには、年金事務所への届出が必要です。免除期間中も、従業員の社会保険の加入期間は継続され、将来の年金額にも影響はありません。
パート・アルバイトの歯科衛生士も対象になる3つの条件
① 雇用保険に加入している
育児休業給付金は雇用保険の制度ですので、雇用保険に加入していることが前提となります。
パート・アルバイトでも、以下の条件を満たせば雇用保険に加入できます。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
例えば、週3日・1日7時間勤務のパートスタッフ(週21時間)は雇用保険の加入対象となり、育児休業給付金も受給できます。
② 過去2年間で11日以上勤務の月が12ヶ月以上
育児休業開始日前の2年間に、以下のいずれかを満たす月が12ヶ月以上必要です。
- 賃金支払基礎日数が11日以上ある月
- 就業した時間数が80時間以上ある月
月の勤務日数が変動するパートスタッフの場合、80時間以上の月を基準にカウントできるため、比較的条件を満たしやすくなっています。
なお、病気やケガなどやむを得ない理由で休業していた場合は、最長4年まで遡って計算することができます。
③ 子が1歳6ヶ月までに労働契約が更新される見込み
有期雇用契約のパート・アルバイトの場合、育児休業申出時点において、子が1歳6ヶ月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでないことが条件です。
具体的には、以下のような場合が該当します。
- 契約が自動更新される規定がある
- 過去に契約更新の実績がある
- 更新される可能性が高い
逆に、育児休業申出から1年以内に契約期間が終了することが明らかな場合は対象外となります。ただし、無期雇用契約のパートスタッフであれば、この条件は不要です。
育児休業給付金はいくらもらえる?【具体例で計算】
育児休業給付金の計算式
育児休業給付金の支給額は、以下の計算式で算出されます。
【基本の計算式】
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 給付率
休業開始時賃金日額とは、育児休業開始前の直近6ヶ月間に支払われた賃金の総額を180で除して得た額です。
給付率は以下の通りです。
- 育休開始から180日目まで:67%
- 181日目以降:50%
支給日数は原則として30日ですが、育児休業終了日の属する支給単位期間については、休業終了日までの日数が支給対象となります。
ケース1:月給20万円の歯科衛生士の場合
育休開始前6ヶ月の給与総額:120万円(20万円×6ヶ月)
休業開始時賃金日額:120万円÷180日=6,667円
最初の180日間(約6ヶ月)
6,667円×30日×67%=約13万4,000円/月
181日目以降
6,667円×30日×50%=約10万円/月
これに加えて、社会保険料が免除されるため、実質的な手取りは休業前の約8割程度となります。
ケース2:月給15万円のパートスタッフの場合
育休開始前6ヶ月の給与総額:90万円(15万円×6ヶ月)
休業開始時賃金日額:90万円÷180日=5,000円
最初の180日間(約6ヶ月)
5,000円×30日×67%=約10万500円/月
181日目以降
5,000円×30日×50%=約7万5,000円/月
パートスタッフの場合も、社会保険料免除により実質的な手取り率は高くなります。
2025年4月から「手取り10割相当」への改正(出生後休業支援給付金)
2025年4月1日から、新たに「出生後休業支援給付金」が創設されました。
この制度により、子どもの出生直後に両親が14日以上の育児休業を取得した場合、最大28日間、育児休業給付金の67%に加えて13%が上乗せされ、合計80%(手取りで約10割相当)の給付を受けられるようになります。
ただし、休業開始時賃金日額には上限があり(2025年8月1日時点:16,110円/日)、高収入の方は手取り10割に届かない場合があります。
申請手続きの流れ【初回・2回目以降】
初回申請:育児休業開始後にハローワークへ提出
初回申請は、育児休業開始日から4ヶ月を経過する日の属する月の末日までに行う必要があります。
申請の流れ
- 従業員から育児休業の申出を受ける
- 必要書類を準備する
- 従業員に申請書の記入を依頼する
- 管轄のハローワークに書類を提出する
- ハローワークの審査後、約1週間で給付金が振り込まれる
初回申請は、受給資格確認と最初の2ヶ月分の支給申請を同時に行います。
必要書類:休業開始時賃金月額証明書、給付金支給申請書など
初回申請時に必要な書類
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(ハローワークで入手)
- 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
- 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど(育休前6ヶ月分および育休期間分)
- 母子健康手帳の写し(子の出生を証明する部分)、(住民票なども可)
- 給付金振込先口座の通帳の写し
母子健康手帳のコピーと通帳のコピーは従業員に準備してもらいます。その他の書類は医院で作成します。
なお、産後休業に引き続き育児休業を取得する場合は、母子健康手帳の写しは不要です。
2回目以降:2ヶ月ごとに追加申請
初回申請後、育児休業給付金は原則として2ヶ月に1度の申請が必要です。
2回目以降に必要な書類
- 育児休業給付金支給申請書(1回目の手続き完了後にハローワークから発行される)
- 賃金台帳、出勤簿、タイムカード(支給対象期間分)
2回目以降の申請期限は、初回申請時にハローワークから交付される「育児休業給付次回支給申請日指定通知書」に記載されています。
万が一申請を忘れてしまっても、支給単位期間の末日の翌日から2年以内であれば申請可能ですが、給付が遅れてしまうため注意が必要です。
よくある質問【Q&A】
関連する助成金・支援制度
育児時短就業給付金
2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した場合に、雇用保険から支給される給付金です。
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
育児休業の取得や職場復帰を支援した事業主に対して支給される助成金です。
育休取得時
育休復帰支援プランを作成し、連続3ヶ月以上の育休を取得させた場合:30万円
職場復帰時
育休取得者が原職または原職相当職に復帰し、6ヶ月継続勤務した場合:30万円
対象は中小企業事業主のみで、1事業主2回まで(無期雇用労働者・有期雇用労働者各1回)の支給となります。
両立支援等助成金(出生時両立支援コース)
男性労働者の育児休業取得を促進する事業主に支給される助成金です。
第1種
男性労働者が子の出生後8週間以内に5日以上の育休を取得した場合:20万円~125万円(取得日数や人数により変動)
第2種
男性の育児休業取得率が30ポイント以上上昇した場合:20万円~40万円
歯科医院のような小規模事業所で、男性スタッフが在籍している場合は活用しやすい制度です。
両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)
育休取得者の業務を他の従業員に分担させたり、代替要員を新規雇用した場合に支給される助成金です。
手当支給等
業務を代替する従業員に手当を支給した場合:最大140万円(育児休業の場合)
新規雇用
代替要員を新規雇用または派遣受入で確保した場合:最大67.5万円(代替期間により変動)
人手不足の歯科医院にとって、代替要員の確保を支援する有効な制度です。
まとめ:育児休業給付金で働きたくなる歯科医院へ
本記事では、歯科医院の院長が知るべき育児休業給付金について詳しく解説しました。
重要ポイント
- 育児休業給付金は国(雇用保険)から支給され、医院の金銭的負担はゼロ円
- パート・アルバイトでも条件を満たせば給付金を受給できる
- 産休・育休中の社会保険料は事業主負担分も免除される
- 2025年4月から最大28日間は手取り約10割相当の給付に
- 事業主向けの助成金も複数用意されている
育児休業制度を適切に運用することで、スタッフが安心して出産・育児に専念でき、復帰後も長く働き続けられる環境を作ることができます。
神戸市の小規模歯科医院の皆様が、院長自身もスタッフも働きたくなる組織づくりを実現するため、ぜひ本記事を参考にしてください。
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