神戸市で歯科医院を経営されている院長先生。
「スタッフが妊娠したけど、育児休業の期間はどのくらい?」
「延長の手続きや条件が複雑でよくわからない」
「復帰後の時短勤務や残業免除はいつまで認めるべき?」
育児休業に関する制度は頻繫に法改正がされて制度が複雑化し、専門家でも情報をキャッチアップしながら、理解していくのが大変です。
そこでこの記事では、社労士×生成AI活用アドバイザーの視点から、育児休業の制度と育児に関連する短時間勤務・時間外労働制限などについて、2025年最新情報に基づいて詳しく解説します。
この記事でわかること
- 育児休業の基本期間と延長の仕組み
- 3歳までの短時間勤務制度と時間外労働制限の詳細
- 子の看護等休暇、3歳以降の柔軟な働き方のための措置の内容
- 育児休業中の社会保険料免除

目次
育児休業のとは?基礎知識を確認
育児休業制度の基本
育児休業とは、育児・介護休業法によって定められた、子どもを養育するための休業制度です。
原則として、子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで取得でき、本人の申し出により2回まで分割して取得することが可能です。
歯科医院など、女性スタッフが多く在籍している職場では、育児休業制度の正しい理解が不可欠です。
なぜ育児休業が重要なのか?3つのメリット
育児休業制度を適切に運用することで、以下のメリットが生まれます。
- スタッフの定着率向上:出産後も安心して働き続けられる環境を提供することで、優秀な人材を確保できます。
- 採用力の強化:育児休業の実績がある医院は、求職者から「働きやすい職場」として評価されます。
- 法令遵守によるリスク回避:労働基準監督署からの是正勧告や訴訟リスクを防げます。
神戸市の歯科医院における現状
神戸市内の歯科医院では、人手不足の中でスタッフの育児休業取得が増加傾向にあります。
しかし、小規模な医院では代替要員の確保が難しく、延長期間の対応に悩むケースが見られます。
制度を正しく理解し、計画的に対応することで、医院運営への影響を最小限に抑えることができます。
育児休業の期間:段階別の詳細解説
基本期間:原則1歳まで
育児休業は、原則として子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで取得できます。
女性の場合は産後休業(産後8週間)の終了後から、男性の場合は子どもの出生日から取得可能です。
1人の子どもにつき2回まで分割して取得することができます。
パパ・ママ育休プラス:1歳2か月まで
両親がともに育児休業を取得する場合、子どもが1歳2か月に達する日まで延長できます。
ただし、父母それぞれの取得期間は最長1年間が上限です。
利用条件
- ママとパパの両方が育児休業を取得すること
- ママまたはパパが、子どもの1歳の誕生日の前日以前に育児休業を取得していること
- 育児休業の開始予定日を、子どもの1歳の誕生日以前に設定していること
延長期間(1回目):1歳6か月まで
保育所に入所できない等のやむを得ない事情がある場合、1歳6か月まで延長できます。
延長が認められる要件
- 子どもの1歳の誕生日の前日において、本人または配偶者が育児休業をしていること
- 以下のどちらかに該当すること
- 認可保育所等における保育の実施を希望し、申し込みを行っているが、1歳の誕生日から保育先が決まっていない場合(待機児童)子どもを育てる予定だった配偶者が、死亡・負傷・疾病・離婚などで子どもを育てることができなくなった場合
申請期限:子どもが1歳になる2週間前まで
必要書類:自治体が発行する保育所入所保留通知書など
なお、2025年4月以降は、保育所等の利用申込書の写しの提出も求められるようになりっています。
延長期間(2回目):2歳まで
1歳6か月の時点でも保育所に入所できない等の事情がある場合、最長で2歳まで再延長できます。
申請期限:子どもが1歳6か月になる2週間前まで
1歳の時点で「2歳まで延長したい」という申請はできません。半年ごとに延長申請が必要です。
育児休業期間の延長が認められないケース
以下のケースでは、育児休業の延長が認められませんので注意が必要です。
- 保育所の入園申込日や入園希望日が、子どもの1歳の誕生日を過ぎてから設定されている場合
- 自治体に問い合わせただけで、実際に保育所への入園申込をしていない場合
- 認可外保育施設のみに申し込んでいる場合
- 延長承認後に自ら保育所の入所を辞退した場合
育児休業期間一覧表
| 期間 | 対象年齢 | 条件 | 申請期限 |
|---|---|---|---|
| 基本期間 | 1歳の誕生日前日まで | なし(原則) | 休業開始の1か月前まで |
| パパ・ママ育休プラス | 1歳2か月まで | 両親がともに取得 | 休業開始の1か月前まで |
| 延長(1回目) | 1歳6か月まで | 保育所に入所できない等 | 1歳になる2週間前まで |
| 延長(2回目) | 2歳まで | 保育所に入所できない等 | 1歳6か月になる2週間前まで |
| 延長(独自ルール) | 3歳まで | 法定を上回る独自ルール | 法定を上回る独自ルール |
法律では、2歳までの育児休業制度が規定されています。それ以降については、法定を上回る独自ルールとして規定が可能です。(後述、「社会保険料免除」に関係します。)
3歳までの短時間勤務制度(育児時短)
短時間勤務制度とは
短時間勤務制度とは、3歳に満たない子を養育するスタッフが希望した場合、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮できる制度です。
事業主は、この制度を就業規則等に規定し、制度化しなければなりません(単なる運用では不十分)。
対象となるスタッフ
以下の要件を満たすスタッフが対象です。
- 3歳に満たない子を養育していること
- 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
- 日々雇用される者でないこと
- 短時間勤務制度が適用される期間に、育児休業をしていないこと
配偶者が専業主婦(夫)であっても利用できます。
労使協定により除外できるスタッフ
労使協定を締結することで、以下のスタッフは制度の対象から除外できます。
- 入社1年未満のスタッフ
- 1週間の所定労働日数が2日以下のスタッフ
- 業務の性質または業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事するスタッフ(具体的な業務範囲も協定で定める必要があります)
短時間勤務が困難な場合の代替措置
業務の性質上、短時間勤務が困難な場合は、以下のいずれかの代替措置を講じる必要があります。
- 育児休業に関する制度に準ずる措置
- フレックスタイム制度
- 時差出勤の制度
- テレワーク(2025年4月から追加)
- 保育施設の設置運営等
3歳以降の短時間勤務は努力義務
3歳以降から小学校就学前の子を養育するスタッフに対しても、短時間勤務制度の措置を設けることが努力義務とされています。
時間外労働制限(残業免除)
所定外労働の制限(残業免除)
3歳に満たない子を養育するスタッフが請求した場合、所定労働時間を超えた労働が禁止されます。
請求は、1回につき1か月以上1年以内の期間において、開始日及び終了日を明らかにした上で、何回でも可能です。
時間外労働の制限(小学校就学前まで)
小学校就学前の子を養育するスタッフが請求した場合、1か月につき24時間、1年につき150時間を超える時間外労働が免除されます。
2025年4月の法改正により、3歳未満→小学校就学前まで対象が拡大されました。
所定外労働の制限と時間外労働の制限の違い
- 所定外労働の制限
医院が定めた所定労働時間を超えて働かせてはいけないという制度です。
例えば、1日7時間30分が所定労働時間であれば、7時間30分を、1日8時間が所定労働時間であれば、8時間を超えてはいけない。ということになります。 - 時間外労働の制限
法律で定められた労働時間を超える時間外労働の時間数に上限を設けた制度です。
法律で定められた時間、つまり、1日8時間、1週40時間を超える時間外労働に制限がかかることになります。
深夜業の制限
小学校就学前の子を養育するスタッフが請求した場合、午後10時から午前5時までの深夜業が制限されます。
労働時間制限の比較表
| 制度 | 対象年齢 | 内容 | 請求方法 |
|---|---|---|---|
| 所定外労働の制限 | 3歳未満 | 所定労働時間を超えた労働の禁止 | 1か月前までに請求 |
| 時間外労働の制限 | 小学校就学前 | 月24時間・年150時間を超える時間外労働の免除 | 1か月前までに請求 |
| 深夜業の制限 | 小学校就学前 | 22時~5時の深夜業の制限 | 1か月前までに請求 |
子の看護休暇・3歳以降の柔軟な働き方
子の看護休暇(小学3年生まで)
対象となる子の範囲が「小学校第3学年修了まで」に拡大されました(2025年4月改正)。
取得可能日数:年5日(対象となる子が2人以上の場合は10日)
取得事由:
- 病気・けがをした子の看護
- 予防接種・健康診断の受診
- 感染症に伴う学級閉鎖等(2025年4月追加)
- 子の入園(入学)式、卒園式への参加(2025年4月追加)
「1年」については、1月1日~12月31日とは限らず、就業規則(育児介護休業規程)で規定することにより、任意の1年にすることが可能です。(当年4月1日~翌年3月31日など)
3歳以上小学校就学前の柔軟な働き方
3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者が、柔軟な働き方を実現できるよう、事業主は以下のいずれか2つ以上の制度を講じることが義務化されました(2025年4月施行)。
- 始業時刻等の変更(フレックスタイム制、時差出勤制度など)
- テレワーク等(月10日以上)
- 保育施設の設置運営等
- 新たな休暇の付与(年10日以上)
- 短時間勤務制度
スタッフは、事業主が用意した制度のうち1つを選択して利用できます。
個別周知・意向確認の義務
事業主は、労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た時と、労働者の子が3歳になるまでの適切な時期に、個別に意向を聴取し、配慮することが義務化されました。
具体的には、以下の事項について聴取します。
- 育児休業の取得意向
- 育児のための勤務時間の変更等の希望
- 配偶者の就業状況
- 仕事と育児の両立に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)
2025年10月改正の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
育児休業期間中の社会保険料免除
社会保険料免除の基本
育児休業期間中は、事業主・被保険者(スタッフ)ともに健康保険料(協会けんぽ)・厚生年金保険料が免除されます。
この制度は、育児と仕事の両立を支援する目的で設けられており、申請することで保険料の負担が軽減されます。
歯科医師国保の場合は、組合によって対応が異なりますので、加入中の組合にご確認ください。(厚生年金保険料は免除されます。)
免除期間:3歳まで可能
社会保険料免除は子どもが3歳になるまで適用されます。
これは、育児・介護休業法による育児休業期間(原則1歳、最長2歳まで)よりも長い期間です。
法定の育児休業期間を超えても、医院独自の制度で3歳まで育児休業を設けている場合、その期間中も社会保険料免除を受けられます。
産休中・育休中の社会保険料免除についての詳細は、こちらの記事でご確認にください。
育児に関する給付金・助成金について
育児休業給付金の概要
育児休業期間中は、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
- 支給率:育休開始から180日まで67%、181日目以降は50%
- 支給期間:原則1歳まで(延長の場合は最長2歳まで)
育児休業給付金は、育児・介護休業法に基づく期間(最長2歳まで)が対象です。医院独自の制度で3歳まで育児休業を延長した場合、2歳以降の期間は給付金の対象外となります。
2025年4月新設の給付金
2025年4月から、以下の新しい給付金が創設されました。
- 出生後休業支援給付金:両親ともに14日以上の育休を取得した場合、最大28日間、給付率が13%上乗せ(実質手取り10割)
- 育児時短就業給付金:2歳未満の子を養育するために時短勤務をする場合、賃金の10%を給付
事業主への助成金
厚生労働省は、育児休業の取得を促進した事業主に対して、両立支援等助成金による支援を行っています。
特に使いやすくおすすめなのが、両立支援助成金の育児休業等支援コースです。
「育休復帰支援プラン」を策定し、育児休業の取得・職場復帰の取組を行った業事業主に支給されます。
その他のコースについては、厚生労働省サイトでご確認いただけます。
厚生労働省:両立支援等助成金のご案内
社労士が教える歯科医院の労務管理ポイント
3歳までの独自育児休業制度導入のメリット
法定の育児休業期間(最長2歳まで)を超えて、医院独自の制度で3歳まで育児休業を認める場合、以下のメリットがあります。
- 社会保険料免除の継続:2歳から3歳までの期間も、事業主・スタッフともに社会保険料が免除されます。医院にとっても人件費負担が軽減されます。
- 優秀な人材の確保:「3歳まで育休が取れる」という制度は、求職者に大きなアピールポイントとなります。
- スタッフの定着率向上:保育所に入所できなかった場合でも、安心して育児に専念できる環境を提供できます。
ただし、就業規則(育児介護休業規程)に明記することが必要です。また、2歳を超える期間は育児休業給付金の対象外となるため、スタッフへの説明が重要です。
就業規則の整備が必須
育児休業制度は法定の制度ですが、就業規則(育児介護休業規程)に明記しておくことが重要です。
特に以下の点を明確にしておきましょう。
- 育児休業の取得対象者と申請方法
- 短時間勤務制度の内容(原則6時間、その他の時間設定も可)
- 時間外労働・深夜業の制限に関する規定
- 労使協定で除外するスタッフの範囲(該当する場合)
計画的な代替要員の確保
育児休業の延長は半年ごとに申請されるため、医院側も計画的に対応する必要があります。
- 妊娠報告を受けた時点で、復帰予定時期を確認
- 保育所の申込状況を定期的にヒアリング
- 延長の可能性を見越した代替要員の確保
復帰後のコミュニケーション
育児休業から復帰したスタッフが安心して働けるよう、以下の配慮が重要です。
- 復帰前の面談で、勤務時間や業務内容について相談
- 短時間勤務や残業免除の申請方法を明確に説明
- 子どもの急病時の対応について、事前に取り決め
よくある質問
まとめ:育児休業制度で働きたくなる歯科医院へ
本記事では、育児休業の期間と関連する短時間勤務・時間外労働制限などについて、2025年最新情報に基づいて詳しく解説しました。
重要ポイント
- 育児休業は原則1歳まで、条件を満たせば最長2歳まで延長可能(半年ごとの申請が必要)
- 3歳までの短時間勤務制度(原則6時間)は事業主の義務
- 2025年4月から、小学校就学前まで残業免除の対象が拡大
- 医院独自の制度で3歳まで育児休業を認める場合、社会保険料免除も3歳まで適用される(ただし給付金は2歳まで)
- 就業規則(育児介護休業規程)の整備と計画的な代替要員確保が重要
神戸市の歯科医院の院長先生が、自分もスタッフも働きたくなる組織づくりを実現するため、育児休業制度を適切に運用していきましょう。
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