神戸市で歯科医院や飲食店を経営されている院長先生、オーナー。
「労働基準監督署から是正勧告を受けてしまった」
「何から手をつければいいのか分からない」
「期限までに対応できるか不安」
是正報告に関して、このようなお悩みを抱えていませんか?
労働基準監督署からの是正勧告は、決して珍しいことではありません。定期監督では3社に2社以上が何らかの指導や是正勧告を受けているのが実情です。
そこでこの記事では、社労士×生成AI活用アドバイザーとして小規模事業所を支援する社労士が、是正勧告を受けた際の具体的な対応手順を分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- 是正勧告を受けた直後にすべき5つのステップ
- 歯科医院・飲食店でよくある違反事例と対処法
- 是正報告書の作成方法と提出のポイント
- 対応を誤った場合のリスクと予防策
目次
是正勧告とは?基本知識を確認
是正勧告の定義と法的位置づけ
是正勧告とは、労働基準監督署の立ち入り調査の結果、労働基準法などの労働関係法令に違反する事実が認められた場合に、企業へ改善を求める行政指導です。
是正勧告は行政指導であって法的拘束力は持ちませんが、だからといって無視してよいわけではありません。
是正勧告には「是正勧告書」が交付され、指定された期日までに違反状態を解消し、「是正報告書」を提出する必要があります。
個別の違反事項については、罰則が科されているものもありますので、是正は必要です。
是正勧告と指導票の違い
労働基準監督署が交付する書面には2種類あります。
| 書面の種類 | 交付される条件 | 対応の必要性 |
| 是正勧告書 | 明確な法令違反が確認された場合 | 必ず是正して報告書を提出 |
| 指導票 | 違反の可能性があるが改善が望ましい場合 | できる限り改善して報告 |
是正勧告書の方がより重大な指摘となりますが、どちらも真摯に対応することが重要です。
歯科医院・飲食店でよくある違反事例
神戸市内の小規模事業所で特に多い違反事例は以下の通りです。
- 労働時間の管理不備:タイムカードがない、または記録と実態が異なる
- 36協定の未届・違反:時間外労働(残業)をさせているのに協定を届け出ていない
- 割増賃金の未払い:残業代や休日手当の計算ミス・未払い
- 就業規則の未作成:従業員10名以上なのに作成・届出をしていない
- 休憩時間の未付与:忙しい時間帯に休憩を取らせていない
是正勧告を受けたらすぐにすべき5つのステップ
是正勧告書とは?実際の様式イメージ
是正勧告を受けると、以下のような「是正勧告書」が交付されます。(イメージですので、実際の様式とは異なります。)
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是正勧告書
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令和 年 月 日
事業場名: ○○歯科医院
所 在 地: 神戸市○○区○○町○-○-○
代表者名: ○○ ○○
○○労働基準監督署長
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貴事業場に対する調査の結果、下記の労働基準関係法令
違反が認められたので、是正されたく勧告します。
なお、是正された場合は、令和 年 月 日までに
是正報告書を提出してください。
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記
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【違反事項1】
根拠条文: 労働基準法第32条
違反事実: 時間外労働に関する協定(36協定)を締結せず、
かつ届出もしないまま、1日8時間、1週40時間
を超えて労働者を労働させていた。
是正期日: 令和 年 月 日
【違反事項2】
根拠条文: 労働基準法第37条
違反事実: 時間外労働、休日労働に対する割増賃金を
支払っていない。
是正期日: 令和 年 月 日
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交付年月日: 令和 年 月 日
担当監督官: ○○ ○○ (内線番号: ○○○)
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ステップ1:是正勧告書の内容を正確に確認する
まず、交付された是正勧告書の内容を丁寧に確認しましょう。
確認すべき重要項目
| 確認項目 | チェックポイント |
| 根拠条文 | どの法律の何条に違反しているか |
| 違反事実 | 具体的にどのような行為が問題とされたか |
| 是正期日 | いつまでに報告書を提出する必要があるか |
| 担当監督官名 | 不明点を問い合わせる際の窓口 |
内容に不明点がある場合は、感情的にならず、担当監督官に冷静に問い合わせることができます。
ステップ2:違反事実の詳細を調査する
指摘された違反内容について、院内(社内)で詳細な調査を行います。
調査で確認すべきこと
- 違反の期間と範囲(いつから、誰が対象か)
- 関連する書類・記録の確認(タイムカード、給与明細など)
- スタッフへの影響(未払い賃金の有無など)
- 違反が発生した原因の分析
この段階で、社労士などの専門家に相談することをお勧めします。客観的な視点から問題点を整理できます。
ステップ3:是正計画を立てる
調査結果をもとに、具体的な是正計画を立案します。
是正計画に含めるべき内容
- 即座に実施する改善策(例:未払い賃金の支払い)
- 制度・仕組みの改善(例:就業規則の作成、36協定の締結)
- 再発防止策(例:勤怠管理システムの導入)
- 従業員への周知・教育方法
- 実施スケジュール
期日に間に合わない場合:
問題点の改善が期日に間に合わない場合は、放置せずに担当監督官に相談しましょう。ほとんどの場合、期日延長を承諾してもらえます。
ステップ4:是正措置を実施する(違反内容別の対応例)
計画に基づいて、実際に是正措置を実施します。
違反内容別の具体的な対応例
| 違反内容 | 具体的な是正措置 |
| 36協定未届 | 1. 従業員代表を選出 2. 36協定を作成・締結 3. 労働基準監督署に届出 4. 社内に周知 |
| 割増賃金未払い | 1. 未払い額を正確に計算 2. 対象従業員に説明 3. 未払い賃金を支払い 4. 給与計算方法を見直し |
| 就業規則未作成 | 1. 就業規則を作成 2. 従業員の意見聴取 3. 労働基準監督署に届出 4. 従業員に周知 |
| 労働時間管理不備 | 1. タイムカード等の導入 2. 記録方法のルール化 3. 管理者への教育 4. 定期的な確認体制構築 |
実施の証拠を残す
是正措置を実施したことを証明できる資料を必ず保存しましょう。
- 協定書の写し
- 届出の控え
- 支払いを証明する振込記録や領収書
- 賃金台帳
- 周知した掲示物や配布資料
- 研修の実施記録
是正報告の際に、これらの資料を添付します。
是正報告書の様式イメージと記載例
是正措置を実施したら、以下のような「是正報告書」を作成して提出します。
是正報告書
令和 年 月 日
事業場名: ○○歯科医院
所 在 地: 神戸市○○区○○町○-○-○
事業主職氏名: ○○ ○○ 印
○○労働基準監督署長 殿
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令和 年 月 日に○○労働基準監督官より指摘を受けました事項について、下記のとおり是正しましたので報告します。
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記
【違反事項1】
- 番号: 1
- 違反法条項: 労働基準法第32条
- 是正した具体的内容:
令和○年○月○日、従業員代表を適正に選出し、時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)を締結。同日、労働基準監督署に届出を行った。
- (添付資料: 36協定届の写し)
- 是正年月日: 令和 年 月 日
【違反事項2】
- 番号: 2
- 違反法条項: 労働基準法第37条
- 是正した具体的内容:
- 未払い割増賃金について、対象となる全従業員(○名)に対し、令和○年○月分~令和○年○月分の未払い賃金合計○○○円を支払った。
- (添付資料: 振込明細、計算根拠資料)
- 今後は勤怠管理システムを導入し、適正な割増賃金の計算・支払いを徹底する。
- 是正年月日: 令和 年 月 日
是正報告書記載のポイント
| 記載項目 | 記載のコツ |
| 違反法条項 | 是正勧告書に記載された条文をそのまま転記 |
| 是正した具体的内容 | 「いつ」「誰が」「何を」「どのように」是正したかを具体的に記載 例:「令和○年○月○日、全従業員に対し~」 |
| 再発防止策 | 今後どのような仕組みで防止するかを明記 例:「勤怠管理システム導入」「毎月チェック体制構築」 |
| 添付資料 | 是正を証明する書類を必ず添付 ・協定届の控え ・支払い証明(振込明細等) ・計算根拠資料 ・写真や図面(該当する場合) |
提出方法と注意点
- 提出期限:是正勧告書に記載された期日までに必ず提出
- 提出方法:労働基準監督署へ持参、または配達記録が残る郵送(簡易書留等)で提出
- 控えの保管:提出した是正報告書のコピーを必ず保管しておく
- 不明点の確認:記載内容に不安があれば、提出前に担当監督官に確認可能
⚠️ よくある失敗例
- ❌ 「是正します」など未来形で記載→ ✅ 実際に是正してから「是正しました」と完了形で記載
- ❌ 抽象的な内容のみ記載→ ✅ 具体的な日付・金額・人数などを明記
- ❌ 証拠資料を添付しない→ ✅ 必ず証拠となる書類を添付
是正勧告を無視した場合のリスク
法的リスクと罰則
是正勧告に従わない場合(違反を放置したままにする場合)、以下のリスクがあります。
| 段階 | 内容 |
| 1. 再監督 | 再度調査が入り、より厳しくチェックされる |
| 2. 書類送検 | 検察庁に送検され、刑事事件として扱われる |
| 3. 罰則適用 | 長時間労働・割増賃金不払い:6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 就業規則未作成:30万円以下の罰金 |
| 4. 企業名公表 | 一定の基準を満たす悪質な企業は社名が公表される |
労働基準監督官は警察と同等の権限をもつ司法警察官にあたり、事業主を逮捕・送検することが認められています。
経営上のリスク
法的リスク以外にも、経営に深刻な影響が及びます。
- 信用の失墜:地域での評判が悪化し、患者さんやお客様が減少
- 採用難:求人を出しても応募者が集まらなくなる
- 従業員の退職:優秀なスタッフが不安を感じて辞めてしまう
- 取引先との関係悪化:コンプライアンス違反を理由に取引を敬遠される
社労士が教える労務管理のポイント
日頃から適正な労務管理を行うために
是正勧告を受けないためには、普段から以下の点に注意しましょう。
| 管理項目 | 具体的な対策 |
| 労働時間管理 | ✓ タイムカード・勤怠システムで客観的に記録 ✓ 始業・終業時刻を正確に把握 ✓ 実態と記録のズレをなくす |
| 割増賃金の計算 | ✓ 時間外・休日・深夜の割増率を正しく適用 ✓ 1分単位で計算(切り捨て禁止) ✓ 毎月の給与明細で内訳を明示 |
| 36協定 | ✓ 時間外労働をさせる前に必ず締結・届出 ✓ 上限時間を超えないよう管理 ✓ 1年ごとに更新を忘れない |
| 就業規則 | ✓ 従業員10名以上なら必ず作成 ✓ 法改正に合わせて見直し ✓ 従業員がいつでも見られる場所に備え付け |
| 有給休暇 | ✓ 年5日の取得義務を遵守 ✓ 取得状況を定期的に確認 ✓ 取得しやすい職場環境づくり |
小規模事業所でも取り組みやすい改善策
従業員20名以下の小規模事業所でも、無理なく実践できる方法があります。
- クラウド勤怠管理システムの活用:月額数千円から利用でき、自動集計で労働時間を正確に把握できます
- 給与計算ソフトの導入:割増賃金の計算ミスを防げます
- 社労士との顧問契約:専門家のサポートを受けられます
- 無料の行政サービス活用:神戸市では、社労士などの専門家が中小企業事業主からの労務管理上の相談に無料で応じています
労働基準監督署の調査に備える書類チェックリスト
調査が入った際にすぐ提示できるよう、以下の書類を整備しておきましょう。
よくある質問
まとめ:是正勧告は早期対応が最重要
本記事では、労働基準監督署から是正勧告を受けた際の対応方法について詳しく解説しました。
重要ポイント
- 是正勧告書の内容を正確に理解し、すぐに対応を開始する
- 期日までに必ず是正報告書を提出する(間に合わない場合は相談)
- 無視すると書類送検や企業名公表のリスクがある
- 日頃から適正な労務管理を心がけることで予防できる
- 困ったときは社労士などの専門家に相談する
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