神戸市で歯科医院を経営されている院長先生。
「面接でいい感じだったスタッフがすぐに辞めてしまった」
「問題行動が多いスタッフを採用してしまい、チームの雰囲気が悪化した」
「面接では良いことを言うのに、実際に働くと全く違う…」
こんなお悩みはありませんか?
人手不足だからと安易に採用してしまうと、結局定着せずにずっと採用で悩む…という悪循環に陥ってしまいます。
そこでこの記事では、社労士×生成AI活用アドバイザーの視点から、問題スタッフを採用しないための面接のポイントを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 一般的な面接だけでは問題スタッフを見抜けない理由
- Googleも採用する「構造化面接」の基本知識
- 歯科医院で使える効果的な質問7選と避けるべき質問
- 採用の質を高めるための具体的な仕組みづくり
目次
一般的な面接では問題スタッフを見抜けない理由
「志望動機」を聞いても意味がない
歯科医院に限らず、多くの面接で「志望動機を教えてください。」と質問していますが、実は志望動機のようなよくある質問は、応募者も面接で聞かれることがわかっています。
そのため、あらかじめ回答を準備してくるため、本音が分かりづらいという難点があります。
応募者が「患者さんに寄り添った治療に魅力を感じました。」と言ったとしても、それが本心なのか、面接用に準備した答えなのかを見抜くことは困難です。
面接官の主観に左右されやすい
従来の面接では、面接官の経験や感覚に頼った評価になりがちです。
「なんとなく良さそう」「雰囲気が明るい」といった主観的な判断で採用を決めてしまうと、実際の業務適性やチームとの相性を見落としてしまうリスクがあります。
一般的に、人は面接の評価を最初の数十秒の印象で決めてしまうと言われています。
そして、面接の残りの時間では、無意識のうちにそのイメージを裏付けるための情報を集めてしまう傾向があります。(確証バイアス)
人手不足で判断基準が甘くなる
人材不足に悩む医院ほど、つい「誰でもいいから来てほしい」と考えてしまいがちです。しかし、その結果「価値観が合わずすぐ退職」という事態を招き、人手不足はかえって深刻化します。
どこかで入り口を見直さないと、この悪循環から脱却することはできません。
Googleも採用する「構造化面接」とは?
構造化面接の基本
構造化面接とは、同じ職種に応募している候補者全員に対して、同じ面接手法で評価する方法のことを指します。
事前に準備した質問や評価項目に従い、応募者の特徴を評価していきます。
Googleの社内調査で、構造化面接によって採用された人材の方が、そうではない人材よりも職務パフォーマンスの予見性が高かったという結果が出ています。
こちらの書籍に詳しく書かれています。
ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える(東洋経済新聞社2015.7.30)
構造化面接のメリット
構造化面接には以下のようなメリットがあります。
- 評価のばらつきが減る: 面接官個人が質問を考える必要がなく、すべて医院が決めたことを質問することになります。
その結果、質問を考える際に生じる面接官個人の価値観に沿った質問がなくなるため、価値観の違いによる応募者の不快感を防ぐことができます - 時間の節約: Googleでは構造化面接を取り入れることによって、1回の面接で平均40分の短縮に繋がりました
- 応募者の満足度向上: Googleで行われた構造化面接を受けて不採用となった候補者は、構造化面接を受けずに不採用となった候補者よりも35%満足度が高かったという結果が出ています。
「雑談のような感じで面接しちゃうんですよね。」とある院長先生がおしゃっていましたが、構造化面接を行うことで、ポイントを押さえた面接が可能になります。
適性検査との組み合わせでさらに効果的に
Googleの元人事担当上級副社長ラズロ・ボック氏は、「採用面接の目的は、候補者が仕事に就いたときのパフォーマンスを予測すること」とした上で、構造化面接だけでなく、一般的な認知能力テストや責任感・誠実度を測る検査などを組み合わせるほうが効果的と述べています。
実際、Googleの調査では、職務能力を予測するための各手法の有効性は以下の通りでした。
- ワークサンプルテスト:29%
- 一般認知能力テスト:26%
- 構造化面接:26%
- 通常の面接(非構造化面接):14%
- 職務経験年数:3%
一般認知能力テストとは、IQテストと似たようなもので、学習能力や問題解決能力を測る適性検査です。面接だけでは見えにくい「地頭の良さ」や「新しいことを習得する能力」を客観的に評価できます。
歯科医院の場合、簡易的な適性検査(30分程度で実施できるもの)を面接前に実施することで、基礎的な能力や性格傾向を把握し、面接での質問をより的確にすることができます。
こちらの内容も上記の書籍に記載があります。
小規模歯科医院でも取り入れやすい
「Googleのような大企業の手法は、うちのような小さな歯科医院には無理」と思われるかもしれません。
しかし、構造化面接の本質は「事前に質問と評価基準を決めておく」というシンプルなものです。スタッフ数が少ない小規模医院だからこそ、一人ひとりの採用ミスマッチが大きな影響を与えます。
適性検査についても、市販の簡易版(5,000円〜10,000円程度)や、オンラインで実施できる無料・低価格のツールも増えています。これらを組み合わせることで、小規模医院でも質の高い採用選考が可能です。
当事務所では現在、「スカウター」という診断ツールをおすすめしています。
低コストでWEBだけで完結できるので便利です。
歯科医院で使える効果的な質問7選
質問1:「うちのホームページを見てどう思いましたか?」
なぜこの質問が効果的か?
「志望動機を教えてください」という定番の質問よりも、はるかに本音が出やすい質問です。
「理念に共感した」「設備が充実していると思った」「スキルアップ体制に惹かれた」など、その人が一番気になったポイントが自然に出てきます。これにより、カルチャーフィットを見るのにも、応募への熱意を測るのにも役立ちます。
良い回答のポイント:
- ホームページに書いてある内容を具体的に話している
- トップページだけではなく複数のページについて話している
質問2:「前の職場で困難だった状況と、それをどう乗り越えたか教えてください」
なぜこの質問が効果的か?
構造化面接の行動面接とは、候補者の過去の行動について焦点を充てて質問を繰り返すものです。
本人が実際に経験した事実をもとにした答えを聞くことができるため、応募者の資質や性格、能力や思考性などが見えやすいとされています。
この質問では、問題解決能力とストレス耐性を同時に確認できます。
良い回答のポイント:
- 具体的な状況の説明がある
- 自分がどう行動したかが明確
- 結果と学びが述べられている
他人のせいにするような言及がある場合は注意です。他責思考が強い可能性があります。
質問3:「患者さんから理不尽なクレームを受けたら、どう対応しますか?」
なぜこの質問が効果的か?
歯科医院で働く上で避けられないストレスフルな状況への対処能力を測ることができます。
良い回答のポイント:
- まず患者さんの話をしっかり聞く姿勢がある
- 感情的にならず冷静に対応できる
- 必要に応じて上司に報告・相談する判断ができる
質問4:「チームで意見が対立したとき、あなたはどうしますか?」
なぜこの質問が効果的か?
歯科医院の業務はチームプレイが求められるため、スタッフみんなで仲良く働けるかどうかは重要なポイントです。
この質問で協調性とコミュニケーション能力を確認できます。
良い回答のポイント:
- まず相手の意見をしっかり聞く
- 共通点を探して歩み寄る姿勢がある
- 最終的には医院の方針や患者さんの利益を優先する
質問5:「5年後、どんな歯科衛生士(または助手)になっていたいですか?」
なぜこの質問が効果的か?
長期的なキャリアビジョンを持っているか、成長意欲があるかを確認できます。
良い回答のポイント:
- 具体的なスキルや知識の習得目標がある
- 患者さんや医院への貢献を考えている
- 現実的で達成可能な目標を設定している
質問6:「忙しい時間帯に複数の業務が重なったら、どう優先順位をつけますか?」
なぜこの質問が効果的か?
歯科医院の現場では、臨機応変な対応が求められます。この質問で判断力と業務遂行能力を見極めることができます。
良い回答のポイント:
- 患者さんの安全・安心を最優先に考える
- 緊急性と重要性を判断できる
- 必要に応じて周囲に協力を求められる
質問7:「当院で一緒に働くスタッフに求めることは何ですか?」
なぜこの質問が効果的か?
この質問は、応募者自身の価値観や仕事に対する姿勢が表れます。また、医院の雰囲気やチームワークを重視しているかどうかも確認できます。
良い回答のポイント:
- 「お互いに助け合える関係」
- 「患者さん第一で考えられる人」
- 「前向きにコミュニケーションが取れる人」
避けるべき質問とNG面接パターン
法的にNGな質問
以下のような質問は、公正な採用選考を阻害する可能性があるため避けましょう。
効果が薄い質問
構造化面接を導入するための具体的ステップ
ステップ1:求める人材像を明確にする
今働いているスタッフの中で「最も活躍している人材」を例に考えてみてください。
その人にはどんな特徴がありますか? どんな価値観を持っていますか? これを言語化することが第一歩です。
ステップ2:評価基準を設定する
各質問に対して、どんな回答なら何点といった評価基準を決めておきます。
例えば、以下のような5段階評価を設定します。
- 5点:非常に優れている(具体的で説得力のある回答)
- 4点:優れている(良い回答だが一部抽象的)
- 3点:普通(最低限の回答)
- 2点:やや不十分(曖昧または矛盾がある)
- 1点:不十分(回答になっていない)
ステップ3:面接もしくは事前アンケートを活用する
準備した質問を面接で直接聞くのが一般的なやり方ではありますが、聞き漏れがあったり、時間の都合などで、聞きたいことがきけなかったというケースが考えられます。
そこで、当事務所では、【事前アンケート形式】をお勧めすることがよくあります。
面接の前に、応募者に構造化面接風の事前アンケートを送ることで、じっくりと選考の参考資料とすることができます。
Googleフォームなどを活用すれば、無料でWEBを使って行うことができるので、手間がかかりません。
また、当事務所では、GPTsを活用した構造化面接風の事前アンケート作成サービスを提供しています。AIが自動で質問を生成し、回答を分析することで、面接の質をさらに高めることができます。
事前にアンケートと適性検査を実施することで、面接ではそれらの結果を参考にしつつ、じっくりと求職者と向き合うことができます。
社労士が教える採用時の労務管理ポイント
試用期間の適切な設定
面接だけでは見抜けない部分もあります。試用期間を3〜6ヶ月設定し、実際の業務適性を確認しましょう。
ただし、試用期間中であっても簡単に解雇できるわけではありません。適切な指導と記録が重要です。
雇用契約書の明確化
労働条件を明確に書面で示すことで、入職後のトラブルを未然に防いだり、軽減することができます。
- 勤務時間・休憩時間
- 給与・賞与・昇給の基準
- 休日・休暇の取り扱い
- 試用期間の条件
上記の条件だけではなく、雇用されると権利を得るだけではなく、義務も負うということも明示し、説明しておくことをおすすめします。
当事務所の「わかりやすい就業規則」では、この点もデフォルトで規定しています。
定着率を高める仕組みづくり
面接時から医院の理念を理解できるか・共感しているかということを見るために、医院の強みをストーリー化して伝えるようにすることが重要です。
また、入職後も定期的な面談を実施し、早期に問題を発見・解決する体制を整えましょう。
バディ役として、専任の先輩スタッフを付けることも効果があります。
採用面接についてよくある質問・誤解
まとめ:採用の質を高めて働きたくなる組織へ
本記事では、問題スタッフを採用しないための面接のポイントについて詳しく解説しました。
重要ポイント
- 一般的な面接だけでは問題スタッフを見抜くことは困難
- Googleも採用する「構造化面接」は小規模医院でも有効
- 「志望動機」よりも「ホームページを見た感想」を聞く方が本音が出やすい
- 過去の行動や具体的な状況への対処方法を聞くことで、応募者の本質が見える
- 人手不足だからこそ、採用の入り口を見直すことが重要
神戸市の歯科医院の皆様が、自分もスタッフも働きたくなる組織づくりを実現するため、ぜひ実践してみてください。
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✅ 構造化面接の導入サポート
✅ GPTsを活用した事前アンケート作成
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当事務所では、各歯科医院さんの個別の事情に合わせた採用力強化や労務管理に関するご相談を随時承っております。ご相談は無料ですので、お気軽にお申し込みください。
















