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無料の就業規則テンプレートはなぜ危険?社労士が明かす5つの落とし穴と「本当に使える」ひな形の選び方

無料の就業規則テンプレートはなぜ危険か?5つの落とし穴

神戸市で事業を経営されている皆さま。

「就業規則をそろそろ作らないといけないけど、インターネットで無料のテンプレートがたくさんあるし、それを使えば自分でも作れそうだな。」と考えていませんか?

実は、無料テンプレートをそのまま使うことには大きなリスクが潜んでいます。法令違反や労務トラブル、そして高額な未払い残業代の請求につながる可能性があります。

そこでこの記事では、社労士×生成AI活用アドバイザーの視点から、無料テンプレートの落とし穴と「本当に使える」ひな形の選び方を詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 無料テンプレートが危険な5つの落とし穴
  • 実際に起きた変形労働時間制の失敗事例
  • 本当に使えるひな形の選び方と判断基準
  • 神戸市で活用できる支援制度

就業規則の無料テンプレート、なぜ危険なのか?

就業規則は、従業員の労働条件や職場で守るべきルールをまとめた重要な文書です。

常時10人以上の従業員を雇用している事業所では、作成と労働基準監督署への届出が法律で義務付けられています。

就業規則が適切でないと、労働基準法違反となる可能性があります。違反した場合は30万円以下の罰金が科せられるだけでなく、労働トラブルの際に会社を守ることができなくなります。

従業員10人未満でも就業規則は必要?小規模事業所の判断のカンドコロ

厚生労働省のモデル就業規則をはじめ、インターネット上には無料でダウンロードできる就業規則のテンプレートが数多く存在します。

手軽に入手できることから、多くの小規模な企業では、これらのテンプレートを利用しています。しかし、安易な利用は大きなリスクを伴うことをご存じでしょうか?

無料テンプレートの5つの落とし穴

最も重大なリスクは、所定労働時間(労働時間制)の設定ミスです。特に変形労働時間制を採用する場合、無料テンプレートでは自社に適した設定をするのには、専門的な知識が必要です。

変形労働時間制とは、繁忙期に労働時間を長くし、閑散期に短くするなど、業務の繁閑に合わせて柔軟に労働時間を設定できる制度です。

変形労働時間制とは?4つの種類と基礎知識、人件費を最適化する方法

しかし、この制度を適用するには厳格な要件があり、以下のような設定ミスがあると制度全体が無効となります。

  • 事前にシフトが決められていない:変形期間開始前に始業・終業時刻を特定する必要があります
  • 勤務パターンが就業規則に明示されていない:労働パターンや組み合わせの考え方、作成手続きの規定が不足しています
  • 法定労働時間の総枠を超えている:週平均40時間以内という上限を守れていません
  • 業務の都合で任意にシフトが変更される:予測可能性を担保できていません

実例:大手チェーン店の事例では、就業規則に定められた勤務シフトと実際の店舗の運用が異なっていたため、変形労働時間制が無効と判断されました。

その結果、原則の1日8時間・週40時間が適用され、約61万円の未払い残業代の支払いが命じられました。

無料テンプレートは、あらゆる会社に適合できるよう汎用性を重視して作られています。そのため、以下のような問題が発生します。

  • 業種特有のルールが反映されていない:飲食店なら深夜営業、美容室なら指名制度、歯科医院なら医療安全管理など、業種ごとに必要な規定が異なります
  • 自社の給与体系と合わない:手当の種類や計算方法が実態と異なると、賃金トラブルの原因になります
  • 従業員区分が不明確:正社員・パート・アルバイトの適用範囲があいまいだと、同じ待遇を求められる可能性があります

インターネット上の無料テンプレートの中には、作成後ほとんど更新されておらず、現行法令に合致していないものが多数存在します。

労働法は頻繁に改正されます。2024~2025年度だけでも、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金、育児・介護休業法の改正など、重要な法改正がありました。

古いテンプレートを使うと、知らないうちに法令違反の就業規則を作成してしまい、労働基準監督署の調査で指摘を受ける可能性があります。

就業規則は単なる法的文書ではありません。会社の文化や価値観を表現し、従業員との信頼関係を築くための重要なツールです。

無料テンプレートには、経営者の「こんな会社にしたい」「従業員にこう働いてほしい」という想いを込めむことが困難です。

無料テンプレートは、お堅い法律用語や、ややこしい表現も多く自由にカスタマイズしにくいです。

その結果、単なる「禁止事項の羅列」になってしまい、従業員の納得感や信頼感の低下につながります。

就業規則を一度作成すると、その後の変更は簡単ではありません。特に従業員に不利益な変更をする場合は、従業員の同意が必要になるなど、手続きが複雑になります。

「とりあえず無料テンプレートで作っておいて、後で直せばいい」という考えはリスクが高いです。最初から自社に合った内容で作成することが重要です。

「本当に使える」ひな形の選び方

本当に使える就業規則のひな形には、以下の特徴があります。

1. わかりやすい言葉と表現

法律用語だらけの難解な文章ではなく、従業員が読んで理解できる平易な表現を使っています。図や表を活用して視覚的にもわかりやすく工夫されています。

2. 最新の法改正に対応

定期的に更新され、最新の労働法令に完全対応しています。更新履歴や法改正への対応状況が明記されているものを選びましょう。

3. 業種・規模に応じたカスタマイズが可能

飲食店用、美容室用、歯科医院用など、業種ごとの特性を反映したバリエーションがあります。従業員規模に応じた調整も可能です。

4. 労働時間制度の適切な設定をサポート

変形労働時間制が必要かどうかの判断基準が明確に示され、必要な場合は適切な設定方法が詳しく解説されています。

単に「1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する」と書くだけでなく、具体的な勤務パターン、シフト作成ルール、周知方法まで網羅されている必要があります。

5. AI活用による作成支援機能

最新のひな形では、AIを活用した作成支援機能が提供されています。例えば、以下のようなサポートが可能です。

  • 最適な労働時間制度の提案:業種・営業時間・繁閑の状況から、最適な労働時間制度を選択して提案してくれる
  • 経営者の考えや想いの言語化:経営者が従業員に伝えたいことをわかりやすい文章にしてくれる

以下の表で、無料テンプレート、有料テンプレート、専門家による作成を比較します。

項目無料テンプレート有料テンプレート
(AI支援付き)
社労士による
フルオーダー
費用無料3〜10万円程度15〜50万円
最新法令対応
(更新が不定期)

(定期更新あり)

(完全対応)
業種対応
(汎用的)

(カスタマイズ)

(完全カスタマイズ)
労働時間制度×
(適切な設定困難)

(AIが最適提案)

(専門家が設計)
経営理念反映×
(反映不可)

(AIが言語化支援)

(対話で引き出し)
作成期間即日〜数日1〜2週間1〜2ヶ月
従業員説明×
(自力)

(マニュアルあり)

(説明会実施)
将来の変更対応困難可能
(追加費用あり)
容易
(顧問契約)

この比較表は、一般的な情報に基づいて作成していますので、実際の内容はサービス提供元によって異なることがあります。

どの方法を選ぶべきかは、以下の基準で判断しましょう。

無料テンプレートが適しているケース(※ただしリスク高)

  • 従業員10人未満で作成義務がない
  • 全員が同じ労働時間で働いている
  • 変形労働時間制を採用しない(or 変形労働時間制に関する知識がある)
  • とりあえず最低限の規則が必要な場合
  • 労働諸法令に関しての基礎的な知識がある

有料テンプレート(AI支援付き)が適しているケース

  • 費用を抑えつつ、ある程度の品質を確保したい
  • 変形労働時間制を適切に導入したい
  • 業種特有の規定が必要
  • 自社で内容を理解しながら作成したい

専門家によるフルオーダーが適しているケース

  • 従業員が10人以上いる
  • 複数の雇用形態がある
  • 特殊な勤務形態や給与体系がある
  • 労務トラブルの経験がある
  • 労働諸法令に関する知識が全くない
  • 就業規則を作成する時間がない

神戸市で就業規則作成を支援する専門家の活用

当事務所では、神戸市の小規模事業所に特化した就業規則作成サービスを提供しています。

特徴1:わかりやすい表現と図解

法律用語を極力避け、従業員が理解しやすい平易な表現を使用します。理解がしにくい規定内容は図や表で視覚的に説明します。

特徴2:AIを活用した最適な労働時間制度の設計

独自開発のGPTsを活用し、業種・営業時間・繁閑状況を分析して、最適な労働時間制度を提案します。変形労働時間制が必要な場合も、法的要件を完全に満たした設計が可能です。

特徴3:経営者の考えや想いを言語化

「会社の理念をルールにも反映させたい…」「条文の意図を従業員に理解してもらいたい…」、このような経営者の考えや想いをAIが、“伝わりやすい言葉”にしてくれます。

当事務所の就業規則テンプレートについての詳細は、こちらをご覧ください。

当事務所の就業規則作成サービス全般については、こちらをご覧ください。

神戸市では、中小企業向けにさまざまな支援制度があります。

神戸市中小企業DX推進支援補助制度

デジタル技術を活用した経営課題の解決を支援する補助金です。労務管理システムの導入と合わせて就業規則を整備する場合に活用できる可能性があります。

こうべ産業・就労支援財団のセミナー

創業基礎セミナーでは、社会保険・雇用編など、就業規則作成に関連する基礎知識を学ぶことができます。定期的に開催されているので、ぜひ活用しましょう。

就業規則作成でよくある質問

厚生労働省のモデル就業規則なら安全ですか?

厚生労働省のモデル就業規則は最新の法令に対応していますが、あくまで「モデル」です。そのまま使用すると、自社の実態と合わない部分が必ず出てきます。

特に労働時間制度、給与体系については、必ず自社に合わせた修正が必要です。モデル就業規則を参考にしつつ、専門家のアドバイスを受けながらカスタマイズすることをお勧めします。

変形労働時間制は必ず採用すべきですか?

いいえ、必ずしも必要ではありません。変形労働時間制は、繁閑の差が大きい業種で有効ですが、全員が同じ時間帯で働いている場合は通常の労働時間制で十分です。

変形労働時間制は運用が複雑で、設定を誤ると制度全体が無効になるリスクがあります。本当に必要かどうかを慎重に判断し、採用する場合は専門家のサポートを受けることをお勧めします。

就業規則作成にどのくらいの期間が必要ですか?

無料テンプレートをそのまま使う場合は数日で完成しますが、お勧めしません。

AI支援付きの有料テンプレートを使用する場合は1~2ヶ月、社労士によるフルオーダーの場合は3〜6ヶ月が目安です。

ヒアリング、原案作成、修正、従業員代表からの意見聴取、労働基準監督署への届出、従業員説明会まで含めると、余裕を持ったスケジュールが必要です。

一度作成した就業規則は変更できますか?

変更は可能ですが、従業員に不利益な変更の場合は手続きが複雑になります。

従業員の同意が必要になったり、変更の合理性を説明する必要があったりします。そのため、最初から適切な内容で作成することが重要です。

法改正への対応など、従業員に不利益にならない変更であれば、通常の手続き(従業員代表からの意見聴取と労働基準監督署への届出)で変更できます。

まとめ:就業規則は「会社の未来への投資」

本記事では、無料の就業規則テンプレートの危険性と、本当に使えるひな形の選び方について詳しく解説しました。

重要ポイント

  • 無料テンプレートの最大のリスクは労働時間制度の設定ミス:特に変形労働時間制は、適切に設定しないと制度全体が無効になり、高額な未払い残業代のリスクがあります
  • 自社の実態に合わない内容はトラブルの元:自社特有のルール、給与体系、従業員区分を明確にすることが重要です
  • 本当に使えるひな形の特徴:わかりやすい言葉、最新法令対応、カスタマイズ性、AI活用による作成支援があります

就業規則は、単なる法的義務を果たすための文書ではありません。従業員との信頼関係を築き、働きやすい職場環境を作るための大切なツールです。

「少しでも費用を抑えたい」という気持ちはわかりますが、無料テンプレートで失敗すると、後で高額な代償を支払うことになりかねません。

就業規則は「会社の未来への投資」と考え、適切な方法で作成することをお勧めします。

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ABOUT US
社会保険労務士×生成AI活用アドバイザー 小西朋安
小西 朋安社会保険労務士×生成AI活用アドバイザー
社労士歴19年で、元プログラマーの異色キャリア。 わかりやすい就業規則の作成・経営理念の策定・浸透支援など、職場のあり方づくりに長年取り組んでいる。 近年は、GPTsを活用した求人原稿作成ツールや業務支援AIを自ら開発し、飲食店、美容室、歯科医院などの生成AI活用を積極的に支援している。