神戸市で歯科医院や飲食店をはじめとした小規模事業の経営者の方。
「スタッフの将来の不安を軽減したい」
「採用力を高める福利厚生を充実させたい」
「退職金制度を整備したいが、資金負担が心配」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
そこでこの記事では、社労士×生成AI活用アドバイザーの視点から、小規模事業所でも導入できる企業型確定拠出年金(企業型DC、401K)について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 企業型確定拠出年金(企業型DC、401K)の基本的な仕組みと特徴
- 小規模事業所での導入メリット・デメリット
- 具体的な導入手順と必要な手続き
- 活用事例とサポート情報
目次
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは
企業型DCの基本的な定義
企業型確定拠出年金(企業型DC、401K(以下、「企業型DC」に統一します。)とは、企業が毎月掛金を拠出し、その掛金で従業員が自ら運用を行う年金制度です。
従業員は60歳以降に、積み立ててきた年金資産を一時金(退職金)、または年金の形式で受け取ることができます。
企業型DCは、公的年金(国民年金・厚生年金)に上乗せする「私的年金」の一つとして位置づけられています。
従業員が退職する際に、それまでに積み立てた資金を受け取るという性質があるため、「退職金制度」としての顔も持っています。
参考:「厚生労働省:確定拠出年金年金制度」
従来の退職金制度との違い
企業型DCと従来の退職金制度には、大きな違いがあります。
従来の確定給付型の退職金では、企業が運用リスクを負い、将来の給付額を保証する必要がありました。そのため、運用成績が悪化すると企業の負担が増大するリスクがありました。
一方、企業型DCでは運用責任は従業員個人が負い、企業は毎月決まった掛金を拠出するだけで済みます。企業にとって将来の給付額が確定しているため、資金計画が立てやすくなります。
比較的小規模な事業所で、突然退職金の対象者が退職してしまうと、想定していなかった退職金の支払いが発生し、資金のやりくりで大慌てという企業さんを見てきました。
企業型DCであれば、退職金の支払いが急きょ必要になることはないので安心です。
企業型DCの仕組みと特徴
掛金の上限額と拠出方法
企業型DCの掛金には、法律で定められた上限額があります。
現行の拠出限度額(2025年12月時点):
- 他の企業年金がない場合:月額55,000円
- 他の企業年金がある場合:月額55,000円-他の企業年金の掛金相当額

掛金は全額損金算入できるため、企業にとって法人税の節税効果があります。また、従業員にとっても所得税・住民税の課税対象外となるため、大きな税制メリットがあります。
他の企業年金とは?
確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済制度のことです。
導入方式(選択制とマッチング拠出)の違い
企業型DCには、主に2つの導入方式があります。
①選択制
給与の一部を企業型DCの掛金として拠出するか、給与として受け取るかを従業員が選択できる仕組みです。企業の新たな負担が少なく、小規模事業所でも導入しやすい特徴があります。

②マッチング拠出
企業が拠出する掛金に加えて、従業員自身も掛金を上乗せできる仕組みです。ただし、従業員の拠出額は企業の拠出額を超えることはできません。
2026年4月1日から、従業員の拠出限度額の撤廃が予定されています。(厚生労働省:「2025年改正の施行について」より)

このほか、企業が現在の給与額に拠出金を上乗せする「企業負担型」もあります。
私が見聞きした限りではありますが、小規模な事業所では、選択制を導入しているケースが圧倒的(8~9割)に多いです。
運用商品の種類
企業型DCでは、従業員が自ら運用商品を選択します。
主な運用商品:
- 元本確保型:定期預金、保険商品など。リスクは低いが、リターンも限定的です
- 元本変動型:投資信託(国内外の株式・債券)など。運用成績により資産が増減します
企業型DCのメリット・デメリット
企業側のメリット
小規模事業所が企業型DCを導入すると、多くのメリットがあります。
- 掛金が全額損金算入できる
企業が拠出する掛金は全額が経費として認められ、法人税の節税効果があります。 - 社会保険料の削減効果
選択制を採用した場合、給与の一部を掛金として拠出することで、標準報酬月額が下がります。
このため、企業負担と従業員それぞれの社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)負担が軽減されます。 - 運用リスクを負わない
従業員が運用を行うため、企業は運用成績に関係なく決まった掛金を拠出するだけで済みます。 - 採用力の向上
退職金制度が充実していることをアピールでき、人材確保が難しい飲食店や美容室、歯科医院でも採用活動で有利になります。 - 選択制なら新たな負担が少ない
選択制を採用すれば、給与の一部を振り替えるため、企業の新たな資金負担を抑えられます。
小規模事業所の場合は、社会保険料の削減効果に興味を持たれる経営者が多いです。
従業員側のメリット
従業員にとっても、大きな税制優遇のメリットがあります。
- 掛金が非課税
企業が拠出する掛金は給与とみなされず、所得税・住民税・社会保険料の対象外です。 - 運用益が非課税
通常の投資では運用益に約20%の税金がかかりますが、企業型DCでは運用益が全額非課税となります。 - 受取時も税制優遇
一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除が適用され、税負担が軽減されます。 - 転職時も資産を持ち運べる
転職先にも企業型DCがあれば資産を移換でき、なければiDeCo(個人型DC)に移すことができます。
企業側のデメリット
メリットが多い一方で、注意すべき点もあります。
- 導入時のコストと手間
運営管理機関への手数料、厚生局への申請費用など初期コストが発生します。また、就業規則の変更や従業員への説明会の実施など、導入準備に一定の手間がかかります。 - 投資教育の実施義務
企業には従業員への継続的な投資教育を実施する努力義務があります。運用に関する知識がない従業員へのサポート体制が必要です。 - 制度の継続性
一度導入すると、簡単に制度を停止することはできません。長期的な視点での導入判断が求められます。
従業員側のデメリット
従業員にとっても、いくつか注意点があります。
- 原則60歳まで引き出せない
積み立てた資産は原則60歳まで引き出すことができません。ただし、老後資金の準備という目的には適した制度設計といえます。 - 運用リスクは自己責任
運用商品の選択次第では元本割れのリスクがあります。定期的な見直しや学習が必要です。 - 選択制では手取りが減る場合も
選択制で掛金を拠出する場合、手取り額が一時的に減少します。ただし、税制メリットにより実質的な負担は軽減されます。
企業型DCの導入要件と手続き
導入できる事業所の条件
企業型DCを導入できる事業所には、いくつかの条件があります。
最も重要な条件は、厚生年金適用事業所であることです。
従業員数に制限はなく、社長1人の会社から導入可能です。
企業型DCへの加入は従業員の任意とすることもできるので、社長のみ・役員のみ加入といったケースが、小規模事業所では少なくありません。
導入までの具体的な流れ
企業型DCの導入は、以下のステップで進めます。
制度設計(制度開始6ヶ月前が目安)
運営管理機関(金融機関)の選定、加入対象者の範囲設定、掛金額の決定などを行います。選択制を採用するか、通常型にするかもこの段階で決定します。
必要書類の準備(制度開始6ヶ月前が目安)
- 就業規則(未整備の場合は新規作成)
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 法人の印鑑証明書
- 厚生年金適用事業所であることを証明する書類
厚生局への申請と労使合意(制度開始5〜4ヶ月前)
確定拠出年金規約を作成し、厚生局に提出します。同時に、従業員への説明会を実施し、労使合意を取得します。
従業員の加入手続き(制度開始1ヶ月前)
従業員は運用商品の選択、配分割合の決定を行います。企業は口座開設などの手続きを進めます。
運用開始
掛金の拠出を開始し、従業員は専用サイトで運用状況を確認できるようになります。
必要な費用の目安
企業型DCの導入には、以下のようなコストがかかります。(企業型DC導入支援会社を利用する場合)
初期費用:
- 導入一時金:10万円~20万円
- 就業規則の作成・変更費用:新規作成・15万円~30万円、変更・5万円~10万円
- 運営管理機関への初期設定費用:3万円
- 口座開設手数料:3千円~5千円(1人あたり)
- その他(従業員説明会、投資教育など)
支援会社によっては、導入一時金に、就業規則の変更や従業員説明会のサービスが含まれていることもありますので、支援会社に確認しましょう。
月額費用:
- 事業主手数料:5,000円〜15,000円程度
- 加入者手数料:500円~600円程度(1人あたり)
- 収納代行手数料:300円程度
- 資産管理手数料:資産残高の年率0.05%〜0.11%程度
初年度は初期費用がかかるため収支がマイナスになりますが、次年度以降はプラスに転換することがほとんどですので、長期的には加入メリットが大きいです。
小規模事業所での活用事例
社長1人が加入した事例
役員報酬(月額100万円)の社長1人が選択制で加入し、毎月55,000円を拠出した場合の試算例:
年間で社会保険料が60,480円(会社負担+個人負担)削減、税金が209,200円(所得税+住民税)節税されます。

掛金660,000円(年額)は、全額損金算入となるため、法人税の節税効果も期待できます。
飲食店での導入事例(オーナーの声)
人数制限なく1人からでも加入できる点、従業員加入による社保料削減効果、退職年金の積み立てなど、誰にとってもメリットしかない制度だと感じました。
歯科医院での導入事例(院長の声)
歯科医院の退職金制度は「制度があるようで実はない」ところが多いと感じていた。
退職する時に具体的に「退職金がいくらもらえる」と決まっている歯科医院はほとんどなく、経営者の考え一つで決まっているところが多い。
企業型DCの導入で、
①掛金は毎月支払った時点で経費にすることができるので、退職時に大きな出費がない
②退職金の残高が今の時点でいくらなのかスタッフが見える
という点が良かった。
よくある質問(FAQ)
まとめ:企業型DCで働きたくなる組織へ
本記事では、小規模事業所でも導入できる企業型確定拠出年金(企業型DC)について詳しく解説しました。
重要ポイント
- 企業型DCは企業と従業員の両方に税制メリットがある制度です
- 選択制を活用すれば小規模事業所でも導入しやすくなります
- 経営者1人でも加入が可能です
- 導入には6ヶ月程度の準備期間が必要です
- 継続的な投資教育で従業員の金融リテラシー向上も期待できます
小規模事業所の経営者の皆さまが、自分もスタッフも働きたくなる組織づくりを実現するため、企業型DCの導入をぜひ検討してみてください。
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